2025年11月の教材

 

作品名 作者名 サイズ
干支・午 矢野伸明
(本部)
式紙

 

①厚紙  赤の無地
②厚紙  赤とボルドーの折り染め
③厚紙  焦げ茶の無地
④厚紙  オレンジの無地
⑤厚紙  青緑の無地
⑥厚紙  白10匁
⑦厚紙  濃い青紫の無地
⑧厚紙  白4匁(写し紙)
⑨薄紙  白  (写し紙)
⑩落水紙 白の格子

式紙:特別金潜

※式紙は1枚のみです。
手本写真のタテ・ヨコどちらかお好きな構図のものを
制作してください。
掲示板ではタテ構図を例にしています。

2026年は丙午です。
『丙(ひのえ)』は、陽の火で「燃え盛る太陽」。
『午(うま)』は、陽の火であり「夏の盛り」「馬」。

どちらも陽の火を表しています。
丙と午の組み合わせで火の性質が重なり、
非常に強いエネルギーと情熱、独立心を持つとされます。

人形浄瑠璃では「八百屋お七」の物語が有名です。
江戸時代、恋焦がれるあまり八百屋お七が家に
火をつけたという伝説があります。
午は十二支の七番目にあたり、
お七の名前と重なります。

今回の絵柄は、赤兎馬をイメージして作りました。
赤兎馬は、三国志演義の中で登場する中国の古代の名馬で、
「一日に千里を走る」と称されるほどの
速さと持久力を持った伝説的な馬です。
董卓→呂布→曹操→関羽と名将に乗り継がれ、
「英雄の乗る馬=縁起が良い」とされています。
馬は、力強い前進力から勝負運・出世運、
神様の乗り物として神聖な存在、
荷物を運ぶイメージから交通安全・旅の安全、
そして「ウマくいく」という言葉に繋がり
幸運全般をもたらす縁起物です。
また、北欧では「ダーラナホース」という赤い馬も
幸運を呼ぶ縁起物で有名です。

【下準備】
全体の位置を決めます。しっぽ、
蹄の位置等に印をつけておきます。

【全体】
全体を①で取ります。
①で写し取りにくい場合は写し紙⑧か⑨を使ってください。
細かな脚が取れない場合は関節までを取り、
細い脚を別で取って繋げます。
目鼻口や装飾、
図の【奥の脚】の付け根(太線の位置)を描きこんでおきます。
下準備で取っておいた位置に合わせて貼ります。

【奥の脚】
図を参照し、
②の染め分け部分を使い、
陰をボルドーにして先ほど取った①に重ねます。
胴体と接する部分(図の太線)は鉄筆などでしっかりと線を出します。
関節辺りでちぎり、①と馴染ませます。


【仕上げ】
陰や鼻先に②のボルドー部分をちぎります。
③で鼻、口、目を取り、目のハイライトは④です。
鉄筆の先でちぎり、丸い形に整えます。
③でタテガミとしっぽを取ります。
青緑の綱は⑤をハサミで細く取ります。
留め具は④、背中の布に⑦。布の模様に⑩です。
⑥で綱の房を取ります。※動きを出すために角度をつけます。
④で留め具です。


この作品はちぎり絵サークルの教材として特に作者から提供されたものであります。したがってこの作品を模作・複製して発表したり、販売したりすることは著作権の侵害になりますのでご遠慮ください。